DC/DCコンバーターの製作Ⅲ
注意 バッテリーや電源機器など、大電流が流れる可能性があるものは、取り扱いを間違えると非常に危険なことがあります。この記事の内容を元に製作・実験を行う場合も、これらのことを十分理解した上で自己責任で実施いただくよう、お願いいたします。
バッテリー等のDC電源から、昇圧した電圧を作るDC/DCコンバーターです。Ⅰ、Ⅱと作ってきましたが、基板がなくなったため、若干の変更を行い、再製作しました。
この電源では、12Vのバッテリー等からEM-200の電源(24V)を作ったり、自動車のバッテリーからノートパソコン等の電源を得ることもできます。また、6Vのバッテリーから12Vの電圧を作ることも可能です。
今回の変更点は、次の通りです。
- ヒューズを外付けにしました。万が一切れた場合も、外部から容易に変更できるようにするためです。(ヒューズ等の保護回路は必ず入れてください)
- 出力のコネクタを4Pにしました。外部に2系の出力が必要な場合も分岐が容易になります。
- 出力の可変範囲を小さくしました。以前の回路ですと、高圧側はいくらでも設定することができ、IC,ダイオード、コンデンサ等の部品を破壊することがありました。
設計
電圧を昇圧するのに便利なIC があります。リニアテクノロジ社のLT1170です。このICを使って設計を行います。
| 部品番号 | 品名 | 値 | メーカ | 備考 |
| C1 | 電解コンデンサ | 220μF/50V | 日本ケミコン | UHE1H102MHD6 105℃品(極性に注意) |
| C2 | 電解コンデンサ | 1μF/50V | 無極性 | |
| C3 | 電解コンデンサ | 1000μF/50V | 日本ケミコン | UHE1H102MHD6 105℃品(極性に注意) |
| D1 | ダイオード | FMB-G14L | サンケン電気 | |
| IC1 | IC | LT1170CT | リニアテクノロジー | |
| J1 | コネクタ | B2P-VH | 日本圧着端子 | ハウジング:VHR- 2N コンタクト:SVH-21T-P1.1 |
| J2 | コネクタ | B4P-VH | 日本圧着端子 | ハウジング:VHR- 4N コンタクト:SVH-21T-P1.1 |
| J3 | コネクタ | B2B-XH-A | 日本圧着端子 | ハウジング:XHP- 2 コンタクト:SXH-002T-P0.6 |
| L1 | インダクタ | OH-053Z | NECトーキン | 5A 90μH |
| R1 | 1/6W 抵抗 | 1KΩ | ||
| R2 | 1/6W 抵抗 | 1.5KΩ | ||
| R3 | 1/6W 抵抗 | 270Ω | ||
| R4 | 多回転半固定抵抗 | 5KΩ | ||
| R5 | (1/2W) 抵抗 | (510Ω) | LEDにあわせて、値と耐電力を選んでください。 |
製作
今回は、プリント基板を作りました。 背の低い部品から取り付けていきます。この方が半田付けする時、やりやすいからです。電解コンデンサには、極性があります。極性を間違えると大きな音とともに熱い電解液と煙が吹き出します。極性には十分注意してください。
部品を取り付けいていきます。背の低い部品から取り付けていきます。放熱板に取り付ける部品は、放熱板に取り付けた状態で半田付けします。
ICとダイオードは放熱板に取り付けます。このダイオードは樹脂モールドされていますので、このまま放熱板にねじ止めします。ICも放熱板はピンと接続されていないようなのでそのまま止めてOKです。もしあれば、放熱用のシリコングリスを放熱板との間に塗ってから、ねじ止めします。
LT1170をねじ止めしたところです。
樹脂モールドされているダイオードは、そのままねじ止めしてOKです。
一通り部品を付けると完成です。20分くらいで出来ると思います。
完成

ケースへの組み込み
今回はケースに入れます。まずはケースを加工します。今回はタカチ電機工業のUC9-5-12GXというケースを使用しました。基板を取り付ける金具として、UCK-P13を使用しました。放熱フィンがケースのふたに当たるので、写真のように通常の使用方法とは逆に金具を取り付けました。スイッチはLED
内臓のものを使用しました。
| 部品番号 | 品名 | 値 | メーカ | 備考 |
| ケース | UC9-5-12GX | タカチ電機工業 | シャーシ取り付け金具:UCK-P13 | |
| F1 | ヒューズボックス | |||
| SW1 | スイッチ | CW-SC11WCKMMES | 日本開閉器工業 | CW-SC11WCKMMES(緑) CW-SC11WCKRRES(赤) CW-SC11WCKYYES(黄) |
| J1 | コネクタ | PRC03-23A10-2AM | 多治見無線 | プラグ:PRC03-12A10-2AF |
| J2 | コネクタ | PRC03-23A10-2AF | 多治見無線 | プラグ:PRC03-12A10-2AM |
| P1 | コネクタ | VHR- 2N | 日本圧着端子 | コンタクト:SVH-21T-P1.1 |
| P2 | コネクタ | VHR- 4N | 日本圧着端子 | コンタクト:SVH-21T-P1.1 |
| P3 | コネクタ | XHP- 2 | 日本圧着端子 | コンタクト:SXH-002T-P0.6 |
調整
調整は電圧を合わせるだけです。ボリュームを回すと出力電圧が変わっていきます。24Vに調整すれば完成です。13V~24V程度まで調整して使用することが出来ます。
評価
変換効率を測定してみました。測定器の関係で入出力同時に測れなかったため測定値にばらつきがあります。
測定値は入力電圧を12V、または6Vに設定し、出力電圧を15V,18V、24Vとしたときの変換効率です。15Vでは、1A以上の出力で93%以上の変換効率があります。
24Vでは、電源の関係で2A迄しか測定できませんでした。


頒布
頒布可能です。頒布コーナーはこちら。

